DULL-COLORED POP

2009/09/15

DULL-COLORED POP稽古場公開

DULL-COLORED POP vol.9『プルーフ/証明』『心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~』の稽古風景を一部公開致します。DULL-COLORED POPの稽古にご興味がある方はお問い合わせ下さいませ。

□公開稽古日程


9/22(火) 18:00~22:00 『プルーフ/証明』 @桜上水近辺
9/23(水) 13:00~17:00 『心が目を覚ます瞬間』 @三軒茶屋近辺
      18:00~22:00 『プルーフ/証明』 @三軒茶屋近辺
9/24(木) 18:00~22:00 『心が目を覚ます瞬間』 @桜上水近辺
9/25(金) 13:00~17:00 『心が目を覚ます瞬間』 @代田橋/方南町近辺
      18:00~22:00 『心が目を覚ます瞬間』 @桜上水近辺
9/26(土) 13:00~17:00 『心が目を覚ます瞬間』 @代田橋/方南町近辺
      18:00~22:00 『プルーフ/証明』 @桜上水近辺
9/27(日) 13:00~17:00 『プルーフ/証明』 @日暮里近辺
     18:00~21:45 『心が目を覚ます瞬間』 @代田橋/方南町近辺

9/29(火)~10/4(月)は、以下の通り固定です。
10:00~17:00 『心が目を覚ます瞬間』 @代田橋近辺
18:00~22:00 『プルーフ/証明』 @代田橋近辺

□ご注意

・無料です。
・いや、そんな、差し入れなんて結構ですってば。
・本当にただ公開するだけなので、何のおもてなしもできません。日によっては退屈な稽古をしている場合もございますので、ご了承下さい。
・通し稽古の予定などは、秘密です。
・見学は、稽古場の広さの問題もありますので、1回の稽古につき2名様までとさせて頂きます。同じお客様が別日に複数回見学にお見えになることは歓迎致します。
・演出および出演者の都合により、急遽キャンセルになる場合がございます。ご了承下さい。
・ブログやmixi、CoRich!アカウントなどお持ちの方は、是非稽古場見学のご感想や公演の宣伝協力などをお願い致します。

□お申し込み方法

keiko あっとまーく dcpop.orgまで、以下の項目をお書き添えの上、ご応募下さい。劇団からの返信がお客様に届き次第、稽古場見学の申し込み完了とさせて頂きます。

・お名前
・ご連絡先(メールアドレス、電話番号)
・ご職業や所属劇団など簡単な自己紹介

なお、稽古場への道がややこしい場合がございますが、稽古場名・住所・簡単なアクセス案内などはお送りしますが、基本的に自力でご来場下さいませ。稽古が始まってしまうと、お電話で道順をご案内する余裕はないと思います。何故なら魂の鱗がはがれるくらいヒリヒリと稽古している僕たちですから。

2009/09/11

DCPOP9『プルーフ/証明』『心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~』上演のお知らせ

DULL-COLORED POPでは、10/7(水)~10/13(火)にかけて、第9回本公演『プルーフ/証明』『心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~』を上演致します。それぞれ、奇数日は『プルーフ/証明』、偶数日は『心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~』が上演されます。

『プルーフ/証明』は、アメリカ人の劇作家デヴィッド・オーバーンによって書き下ろされ、2000年に初演された現代アメリカの最高峰と言っていいクオリティを持った戯曲です。トニー賞・ピューリッツァー賞をはじめ、5つの演劇賞に輝き、今も再演の絶えないこの名作を、斬新かつ攻撃的な演出と、理想的なキャスティングにて板に乗せます。過去に時間堂・コロブチカ・ひょうご舞台芸術・ハイリンドなどの上演歴がありますが、今回はDULL-COLORED POP主宰・谷賢一によるオリジナル翻訳に加え、2年半温め続けてきた演出プラン、探し求めた理想的キャスティングにより、最もこの本の根源をえぐる作品にしようという気概です。

思えばこの2年半、僕の心の回りを執拗に飛び回っていたこの戯曲を、こうも理想的な条件にて上演できるということに、1つの幸福と1つの不安を感じます。ある天才数学者とその娘たち、1人の若い数学者を通して描く、才能のボーダーラインと信頼のカタストロフィを描くこの1作は、完成されたキャッチーさが人生において最も残酷な一瞬を暴くという意味において、象徴的な作品です。

『心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~』は、一言では語りきれない戯曲です。まず、僕がイギリスへ留学中に出会い、その粉々に砕け散ったガラスのような美しさと切実さ、演劇芸術への憎悪と愛情という点において、戸惑いにも似た興奮を覚えた1作です。

この上演は2人芝居です。まず、自ら出演する主宰・谷賢一と、その6年来の演劇的パートナーである堀奈津美の2人芝居であるというのみならず、90年代イギリス演劇界を最も揺さぶった劇作家であるサラ・ケインと、00年代の日本を生きる若く未熟で野生の狼のような瞳をした劇作家・演出家である谷賢一の、ガチンコ1本勝負です。谷と堀、6年来演劇において繋がっていた2人だからこそできる濃度であると共に、サラ・ケインと谷賢一、演劇に溺れそして苦しんだ2人だからこそできる絶望的に甘美なコラボレーションです。

ギリシャ悲劇からシェイクスピア、歌舞伎、近代市民劇、現代口語劇まで触れた後で、私たちに新しくできることは何なのか。それくらい大きなものへ挑むつもりで、この作品への愛撫を始めている私たちです。

DULL-COLORED POPは本公演を持って無期限の活動休止となります。だからこそ、『プルーフ/証明』と『心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシス~』を通して、僕たちの捨て鉢な挑戦に最後のはなむけをしてやりたい。すべて出し切って虚脱呆然自暴自棄、そういうところまで追い込んだ「いい演劇」を、皆様にお届けします。

なんて、ちょっと気負った書き方し過ぎってのはわかってんだけどね。シラけてちゃカッコ悪い、ってこと、あるじゃない。僕らは演劇が好きすぎて、もう後戻りできないくらいに憎んでいる。ぜひ、ご来場下さいませ。

公演情報:第9回本公演『プルーフ/証明』『心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~』

DULL-COLORED POP主宰 谷賢一

DULL-COLORED POP活動休止のお知らせ

DULL-COLORED POPウェブサイトを閲覧頂きまして、誠にありがとうございます。主宰の谷賢一です。こういう内容なので、仏頂面をせずに、自分の言葉でご報告差し上げたいと思います。

2005年11月より、ひっきりなしの休みなしで公演活動を続けてきたDULL-COLORED POPは、2009年10月の第9回本公演『プルーフ/証明』『心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~』を持って一旦の活動休止となります。活動再開の時期は未定です。

活動休止の理由は、もはや一言では説明が尽きませんが、一言で言って「疲れちゃった」ということです。発展的なとか充電のためとか前向きな活動休止とか、音楽のアーティストはよく言うし、実際問題今回の僕らの活動休止も冷静に見ればそういうことではあるのですが、バカヤロー、そんな平然としたもんじゃない、マジで摩耗し尽くしたんだコンチクショウ。それは芸術的な問題でもあるし、個人的な問題でもあるし、経済的な問題でもある。ただ、芸術、個人、経済、どれ1つとして切り離せるものではないでしょう。俺は魂を削って演劇をやっていた。なんて平然と言えちゃうレトロで熱血な演劇人でありたいと思っています。

次回公演『プルーフ/証明』は、2年半あたためていた演出プランに、2度の他団体による上演を経て磨き上げられた独自翻訳、そして最高のキャスティングが生み出す生の感覚が重なって、俳優の身体から浮かび上がる生々しい存在のリアリティという演劇の根源を問う作品になります。何もない空間から演劇と真実が立ち上る瞬間を、劇場にて感じて下さい。死ぬほどいい戯曲です。

また、同期間中に日替わりで上演される『心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~』では、主宰・作・演出を務める谷賢一自らが、6年来の付き合いである劇団員・堀奈津美と2人芝居をお届けします。この2人だからこそできる、誰よりも・どこよりもディープな一瞬をえぐりたい。20世紀に書かれた世界で一番アヴァンギャルドな戯曲の1つであるサラ・ケイン作『4.48サイコシス』を、谷自らの翻訳・翻案にて洗い直し、演劇の基本文法に喧嘩を売るような破壊的な演出にさらすことで、今後のDULL-COLORED POPや演劇芸術そのものの未来を占う1本にしようという気概です。作家・戯曲としての評価が目立っていたDULL-COLORED POPですが、この1本を通じて、演出・俳優という演劇芸術のもう1本の軸を圧倒的に強く鮮烈に追求したい。過去最大の意欲作にして問題作となるであろうこの1本、お見逃しなきよう。

ライブペインティング、ロックバンド生演奏、不条理から現代口語劇まで振れ幅を行き来する短編7本同時上演、業界初・飲尿ミュージカル、古典悲劇調創作劇と、演劇の可能性を右から左まで縦横無尽に駆け回ってきたDULL-COLORED POPですが、ひとまずこの公演を持ってすべての引き出しを開け切り、充電だか漏電だかわかんねー時間を過ごします。今までDULL-COLORED POPを見続けて下さった皆様も、初めてご覧になるという方も、観に来て下さい。演劇とは何か、という問いへの、僕たちなりの答えを。

この活動休止に、一番深い悲しみを覚えているのは、他でもない私です。ただ、もう1つ高い階段へ登るために、どうしても必要な活動休止です。ハッタリでもブラフでもリップサービスでもなく、マジで休みます。怒り、憎しみ、悲しみ、自家撞着、虚脱、愛、信念、いろんなものを小脇に抱えて、増水した川に飛び込むような活動休止です。そのまま死んじゃえって感じ。僕は、あるいは僕らは、演劇を楽しむには、演劇に対して苦しみ過ぎた。

だからこそ今回の2作品では、もっと軽やかに、遊ぶように、演劇に取り組みたい。真剣な遊びは、真剣な仕事よりも、きっと真摯で情熱的で、そして快楽のにおいがする。そう、情熱と快楽こそが、神々の飲料水なんだ。

踊るように、歌うように、演劇というジャンルを見下すように、そして優しく抱き締めるように、『プルーフ/証明』『心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~』を上演して、休むぜ。眠るぜ。旅立つぜ。捨てるぜ、殴るぜ、ぶち殺すぜ。あぁ俺は気違いさ。そんな、ヒリヒリした演劇への愛憎が、愛情と憎悪が生み出す優しくも悲しいお話と、ただただ冷たく透明なお話を、どうぞお楽しみに。

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